近藤史恵さんの最新作「エデン」をさっそく購入して読んでしまいました。


この作品、サイクルロードレースに正面から取り組んだ小説「サクリファイス」の続編なのです。
主人公は、白石誓(しらいし・ちかう)27歳。前作のラストで、スペインのチーム「サントス・カンタン」へ移籍することになった彼の、2年後が描かれています。現在の彼が所属するのは、フランスの「パート・ピカルディ」。グランツールの総合優勝を狙えるビッグクラブで、ツール・ド・フランスへの出場が決まっています。主人公は、フィンランド人のエース、ミッコ・コルホネンのアシストとして、ツールへ出場することになるのです。
しかし、レース直前にしてチームに暗雲が漂い始めます。なんと、スポンサーが撤退することになり、チームは今年いっぱいで解散することに。ミッコの総合優勝をめざしてひとつになっていたチームは、おのおのの思惑によって次第に迷走を始めます。そんな中で、主人公はどんな行動をとっていくのか。ツールの3週間だけを舞台にした、濃密な物語が始まります。
前作に比べると、よりミステリ色は薄れたかな!?という印象です。ツール・ド・フランスの大会中が舞台なので、休養日でもなければ登場人物たちはほとんど自転車に乗っているだけですし(笑)、スポーツ小説ではありますが、心理描写のほうが多いくらい。
サイクルロードレースは、個人の成績を競う大会でありながら実質的にはチームスポーツという独特の性格をもっています。日本人にはまだ馴染みのないスポーツを理解させるための薀蓄は豊富で、読んでいるだけでサイクルロードレースの楽しみ方がわかるのはさすが。この本の発売は3月下旬でしたが、もしかしたらツールの前あたりに発売するほうが相乗効果で盛り上がったかもしれません。
小説に登場するチームや選手名はすべてオリジナルで、「この選手がモデルかな?」というような憶測はできません。それでも「スポンサー撤退」や「ドーピング」などの「よくあるネタ」を織り込みながらの物語は、「こういう話もあるかも」と思わせながらテンポ良く進み、まったく飽きさせません。私も、購入してから数時間で一気に読んでしまいました。
タイトルの「エデン」は、いうまでもなく「楽園」の意味。過酷な3週間のレースのどこに楽園があるのか、それを考えながら読むのもいいかもしれません。
「Storyseller」で展開している前日譚ともいえる「外伝」は、著者によれば全3作だとか。だとすると、こちらの本編ももしかしたら!?と期待したくもなります。実際、続編もありかな~!?と思えるような終わり方ですから。
「サクリファイス」のような驚きの展開はありませんが、自転車好きなら読んでおきたい小説。前作はすでに漫画化もされているので、こちらも漫画化くらいならあるのかも。でも、願わくば映画化とかはやめてほしいですね~。見る前からガッカリしそうですから(笑)。
*「エデン」商品リンク*





読みました。
やっぱり小説がうまいなあ、この人は。
でも、白石とニコルの性格や考え方は、男のレーサーのそれではないという違和感が最後まで払拭できなかった。感情移入もできなかった。
わたしの知っているプロロード選手は、もっと馬鹿で、もっと頭がおかしいやつらばかりだからなのかもしれない(褒めちぎっている)。(^^;
あ、ニコラだった。なにタイプミスしてるんだろう。(^^;
おぢさま、コメントありがとうございます。
多くのプロレーサーと交流のあるおぢさまならではのご意見ですね。なるほど、確かにそうかもしれません。私などは「みんな繊細なのねー」などと思って読んでいましたが。
ほかの男性読者さんはどう感じられたのか、感想を聞いてみたいです。
こんばんは
小説はあくまでもフィクションですし、業界モノでは実際にその業界にいる人からはあり得ないと思われる事もいろいろある事でしょうね。日本人のツール出場も昨年まではどちらかというとフィクションな部類だったでしょうし。
さて現実にフランスチームからツール出場した日本人 新城幸也選手の写真をカメラマンO氏から頂いてA0サイズのパネルにしたものを若干数 展示しておりますので、五日市方面の花見に来れれる機会がありましたら覗いていってください。
山猫の店主さま、ご無沙汰しております!
確かに、日本人がツールに出場するなんて、ほんの2年くらい前まではマンガの中の話でしたものね。
新城選手のパネル、ぜひ見にうかがいたいです。今年は天気が悪い日が多く、あまり走れていないもので、正月に体重が増えたままちっとも元に戻りません……。